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まえがき このたび、『自分の心を守りましょう』(二〇一四年、㈱経済界刊)を新版として再発行することになりました。 日本社会では、年々、老いも若きも一人暮らしが増えていると感じています。 日本が貧しい時代は、一人で独立して暮らすということが、家賃の意味でも、食費の意味でも難しく、嫌でも大家族単位で身を寄せ合って生活していたと思います。それから時代が進み、戦前戦後よりも裕福な日本になったのはよいのですが、裕福さと比例して大家族から小家族へと暮らし方が変わっていきました。さらには親子が揃っていましても、親の単身赴任、子どもの遠方への進学・就職によって、家族が一緒に暮らす期間は短くなっています。生涯を独身で過ごす人も増え、これからますます一人暮らしの社会となっていくと思います。 近年では飲食店も、お一人様専用の座席を増やす店舗の設計が見られます。このような一人暮らしの社会が進むにつれて、心を病む人も増えている気がします。また、孤独死というものが、過去の時代にはなかった社会問題と化しています。つまり、家族がいましても、現実には一人で生活をする人生を、心を病まずに生き生きと暮らすことが、今からの時代は大切になると感じます。まさに今のような時代の到来を予見した本が、約五年前に発行された本書なのです。様々な角度からライトを当てて、自分の心を守りながら生きて行くための方法のエッセンスを書いたつもりです。 自分の心を守ることは、自分の命を守ることです。自分の心を守る方法を知っていますと、どんな状況にいましても、明るく強く生きていくことができます。 自分の老後をいかに生きるか?もし一人暮らしになっても、明るく生きるにはどうすれば良いか?一人暮らしでも、心豊かに生きる方法とは?このような視点を持って、自分の人生を、将来を、老後を想像しながら読んで頂けますと幸いです。 令和元年 お盆の終わりに 伊勢白山道