2008年（平成20年）、省エネ法が改正された背景には、これまで重点的に省エネを進めてきた産業部門だけでなく、オフィスその他の業務や家庭など民生部門でも省エネを進める必要性が高まったことがある。これによって、事業者（会社等）単位でエネルギー管理が義務づけられ、中小規模の現場を多数擁するような事業者が義務の対象となった。チェーン展開する事業者も、一定の条件を満たす場合は加盟店を含めて対象となる。さらに、事業者の経営的な判断のもとで効果的な省エネの取組みを進めることが要求され、「エネルギー管理統括者」等の選任が義務づけられた。　本書は、省エネ法の意図するところを、とくに「工場等に係る措置等」について逐条解説し、「工場等判断基準」について詳細に解き明かす一冊である。付録では、省エネ法に基づくエネルギー管理の手順、管理標準の構成やどのような内容を記載すべきか、またエネルギー管理統括者・エネルギー管理企画推進者の具体的な業務内容など、つまずきやすいポイントをていねいに説明している。オフィス、工場、店舗、ホテルなど業態を問わず、省エネ・環境・設備担当者に必携の一冊である。