出版社コメント情報
高齢者の肺炎による死亡、小児領域でのインフルエンザ肺炎・脳症の死亡、香港におけるトリ型インフルエンザの人での流行と新型インフルエンザ出現の可能性、ワクチン再評価の動きなど、インフルエンザにかかわる話題は単に重いかぜの大流行という範囲にとどまらなくなってきている。一方、基礎医学の進歩により登場したインフルエンザウイルス迅速診断キットと新しい抗インフルエンザウイルス剤は、これまで裏付けの乏しかった診断根拠に基づいて経験的な診療が行われてきたインフルエンザ様疾患に対して、病原診断とそれに基づいた抗ウイルス剤の投与という感染症の診断と治療の基本が可能になり、第一線にある臨床医の「かぜ」に対する考え方を変えつつある。