出版社コメント情報
安全であろうと考え、調理し、提供した食物が、ある日突然に食中毒を発生させる。たとえ、食物が病原微生物に汚染されていたとしても、肉眼的に見ることはできない。食物は加熱調理すれば安全と考えがちであるが、毒素型食中毒の原因菌のブドウ球菌などでは加熱によって食中毒を防ぐことはできない。たとえ、注意して調理したとしても、たった1個の腸炎ビブリオが食物に付着すると2時間半後には食中毒の危険性をはらんでいる。また、食材は汚染されていることを前提に調理しなければならない。以上のように食中毒菌の特性をよく知っていれば、食中毒の発生と予防になると考えている。