出版社コメント情報
著者はかねてより、脳病変は組織の基本的な反応、病変部位の解剖学的特性、各疾患に特徴的な変化からなり、特に組織の特性は疾病のメカニズムの解明や臨床症状との関係を解析する上で重要であるとする視点に立ち、本書では大脳皮質、視床、小脳というような部位別の章立てをとり、その部位の組織学的特徴を踏まえつつ、そこで生起するさまざまな疾患に共通した形態学を記述しようと試みている。さらに本書では「老化の形態学」という章を独立させて、東京都老人総合研究所において自ら経験した60歳から106歳までの1,800例近い剖検脳の所見をまとめ、他の神経病理学書とはまったく異なる独自の考えを展開し、老化に対する新たな視点を提示している。