出版社コメント情報
近年、アパシーとうつ状態とは機序も予後も異なることが明らかにされ、脳卒中後の精神症状やパーキンソン病などの皮質下性認知症を呈する疾患の精神症状の中核をなす重要な症状であることが判明し注目されている。本書ではまず、最初にアパシーとは何かを神経内科と精神科の観点から述べ、アパシーの評価法、脳血管障害やアルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、頭部外傷などにおけるアパシー実態をまとめるとともに、事象関連電位や局所脳血流などによるアパシーの臨床科学的解析についても理解できるようになっている。アパシーの治療についてはまだ十分確立されていないが、現在可能な治療法でエビデンスのあるものをできるだけ取り上げた。アパシーを単なる結果ではなく廃用性認知症の要因であることを認識していただければ幸いである。