出版社コメント情報
所有は抽象的な概念であり、世界の言語の所有表現は具体的な表現から発達している。例えば、ヒンディー語には英語のhaveに相当する動詞がなく、叙述所有(X has Y)は、X ke paas Y honaa「Xの近くにYがある」、X kaa Y honaa「XのYがある」のように存在文で表される。本書は所有を文法化の流れの中で捉えたHeine (1997) Possessionの理論的枠組みに基づき、ヒンディー語の6つの所有構文と各構文に見られる文法現象を言語類型論の観点から考察した。本書は50を超える言語の例と研究の知見を含み、さまざまな言語を研究する際のヒントを提供する。