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比叡山で千二百年間途絶えることなく続いている荒行があります。「千日回峰」行は、比叡山中の谷から谷への道を千日かけて、ひたすら歩き続けます。その距離は、地球一周に当たる四万キロにもなります。最初の七百日は、自分のために祈って歩きます。他人のために祈れる資格を得るために。七百一日目からは、人のために祈ることが許され、今度はひたすら人の幸せを祈って、さらに苛酷な道のりを歩き続けます。今日も行者は、人の幸せを祈って歩いています。死にたくなるような不幸な時に、「自分のためにも、祈ってくれている人がいる」ことを知れば、人は救われるのではないか、ということを教えてくれる一冊です。