出版社コメント情報
・・・・・・ 縁故米運動 ・・・・・・ 日本は、食料の60%を外国に依存しています。農業よりも工業を重視し、マネーゲームにうつつを抜かしている間に、大切な農村が荒廃しようとしています。生産者は高齢化し、圧倒的多数を占める小規模農家に後継者が見つかりません。大規模農家ですら、市場原理というモノサシの中で、輸入農産物との競争にさらされています。また、食料を外国に依存したことによって、BSEや遺伝子組み換え作物 といった、食に由来する不安材料が次々と私たちを脅かしています。 何でもお金で解決できるというおごりと、グローバリゼーションの相乗作用で、この流れはますます加速していくでしょう。この国は、豊かな自然環境や、そこで暮らす人々の健康よりも、経済的な価値を優先する危険な道を進んでいます。政府も食糧管理制度を廃止して、農と食の責任を放棄してしまいました。日本の農業と農村、そして日本の米は、もう自分たちで守るしかありません。 「縁故米」というのは、都会で暮らす子どもや孫、親戚のために、食べてくれる人たちの喜ぶ顔を思い浮かべながら作られ、届けられたお米のことです。そしてお米だけではなく、野菜も加工食もすべて、いのちを育む食べ物というのは本来そのようなものであるはずだという考え方に立って、私たちはこの動きを「縁故米運動」と名付けました。