出版社コメント情報
◆内容紹介◆ 近現代考古学とは何か-今、歴史考古学の新たな分野を切り拓く。近現代考古学研究のためのテキストとなる意欲作。2004年2月に開催されたシンポジウムの記録と、その研究成果を中心に論考をまとめる。「都市」「国家」「制度」「身体」「技術」のセッションを設定し、そのなかで近代を特徴づける13のトピックについて学際的に論じる。近現代がいかなる時代であるかを理解し、近現代考古学を行うことの意義、物質文化研究としての近現代考古学の役割について考える。◆推薦文◆ 「近現代考古学」は、文字通り私たちが生きている「現在」につながる考古学である。わが国の「近現代考古学」が追究するべき課題のひとつは、物質文化からみた日本の「近代化」の様相を解明することであろう。日本の「近代化」のプロセスは単なる「西洋化」ではなく、他方で、近代以前に遡る日本文化の伝統と変容に関わる複雑な様相を呈している。すなわち、日本の「近代化」の様相は、今の私たち自身の存在と深く関わっているのである。本書は、そうした「近現代考古学」の世界にはじめて果敢に切り込んだ、意欲あふれるシンポジウムの記録である。 早稲田大学人間科学部教授 谷川章雄