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本作のテーマは原点回帰。あの「クリスタル」が復活し、中世欧州をモチーフにしたファンタジックな世界が舞台となっている。そして、また新たになったバトルシステムは、装備品である武器・防具がカギを握ることに。武器・防具には「アビリティー」(盗む、カウンター、魔法など)がセットされており、装備することでそのアビリティーが使用できるようになる。さらに、アビリティーはバトルで勝利した経験値で習得も可能。アビリティーの習得には、多くの装備品を手に入れることが重要になるが、装備品はショップで手に入れる以外に、アイテムを合成することで新たな品を生み出すことができ、発見や収集をうながす仕組みになっている。
また、新システムとして主人公とは別の場所で行動するキャラを操作し、特定のイベントをプレイするというアクティブ・タイム・イベントを導入。物語の裏側や各キャラのエピソードが知れ、より感情移入しやすくなっている。このほか、本編とは関係ないミニゲームも多く収録。なかでも『VIII』で好評だったカードゲームはさらに進化して奥深いものとなっている。(池村慎一)
レビュー
正直、パッと見的なインパクトはほとんどないに等しい。CGが超美麗なのも、戦闘アクセスやセーブ時間がPSソフトとして考えたら抜群に速い(高速アクセス時のリードエラーを避けるためにリミッターをかけてあるのか、PS2の高速モードでプレイしても、体感スピードはほとんど変わらないのはちょっとガッカリだったけど)のも、『FF』なら当り前なのだから。普段ゲームをしない人にはそんなファーストインプレッションしか与えられないかもしれない。それが残念だ。よりによって、ゲーム中のキャラクターのデフォルメがここ3作で最もバランスが悪いのも、それに拍車をかける。が、しかし…そのとっかかりのほんの1~2時間を乗り越えてしまった人は幸せである。千年期の狭間、ミレニアムにふさわしい「日本から生まれたTVゲームという楽しみ」の代表作を手に入れるのだから。
思えば…『VII』『VIII』は日本のゲームの社会的地位UPを目指した人たちが、反抗期のように、美形とか、恋愛とか、一般性を取り込んで創り上げた気がする。それはそれで意味があったと思うし、ゲームを触るようになった人が多いのも認めなきゃいけない。アビリティのシステムや、これでもかってくらい連続して起こるイベント。やらなくてもいい沢山のサブイベント&ミニゲーム。外見こそはPSの大作RPGだが、楽しさはSFCの『FFVI』に近い。あそこまでキャラに過去はないけど、ロックとティナとリルムを思い出せば間違いないと思う。主人公がブツブツと、暗く独り言を言わないのもちょっとステキ。
(電撃王2000年8月号)
販売価格 12,278円(税込)
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販売:株式会社マルチラテラル(登録番号:T8020001121356)