原作は白血病でわずか十三歳四ヵ月で短い生涯をとじた鹿村由紀子（愛称ユッコ）と両親の”交換日記”をもとにした遺稿集「ユッコの贈りもの・コスモス」のように。 　主役ユッコには、二千五百人の中から抜擢された新人、大嶋明美が好演しています。 　父には田村亮、母に宮本信子が扮し、悲しみを乗り越えわが子を励まし続ける親の心を熱演、 ユッコをとりまく教師陣に、先生役で話題をまいたテレビ「中学生日記」の湯浅実、「仙八先生」のさとう宗幸、映画「兎の眼」の壇ふみが特別出演し、あこがれの先輩乙彦に「転校生」の尾美としのり。 　昭和五十四年三月四日から明るさを失わず、家族と仲間をおもいやり、けなげに生きたユッコの姿は、大きな感動と励ましを与えることでしょう。 　鹿村由紀子は東京の東村山第四中学校一年生、バスケットの大好きな十三才の女の子である。愛称はユッコ、商事会社につとめるお父さんとやさしいお母さん、それと喧嘩相手の弟の四人家族。多摩地区の「ファミリーマラソン大会」にも家族みんなで参加した。平凡だが楽しくしあわせな家庭生活だ。 　学校もまた楽しい、同級の石橋由美（愛称ユミ）と大町光子（愛称ヒカリ）とは大の仲良し。 　とくに、由美とは先輩、竹村乙彦をめぐって恋のライバル同志、バレンタインデーのチョコレート・プレゼントをめぐってはげしいさやあてを展開する。 　馬場・千野・飯田のババチイトリオの男の子たちとも意気投合。おもしくて楽しくて、はずむ様な中学生活……。 しかし、病魔が彼女をおそう。
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